その他のタイヤモデル

MF Swift

MF Swiftとは”Magic Formula the Short Wavelength Intermediate Frequency Tyre model”を意味していて、名前の通り、Magic Formulaをベースに、オランダの研究機関 TNOによって提唱されたタイヤモデル、および、そのモデルをシミュレートするソフトウェアの名称(2019年時点でバージョン6.2がリリース済み)。
オリジナルのMFと何が違うのかというと、(より適切に)シミュレートできる範囲が異なるという点。MFは波長の長い振動(オーダ的には1桁Hz~2桁Hz前半)が生じるような運転状況には適しているけれど、短い波長の運転状況(~3桁Hz)では精度が落ちる傾向になる。だけど、実務の視点からすると、悪路(凹凸の激しい路面)での運転に対する設計や、ABSやESPの開発では短い波長でのシミュレーション結果の方がむしろ必要になる。これをカバーするのに、MF Swiftが役に立つ、というわけ。


FTire

Flexible Structure Tire ModelからFTireと命名。トレッドを微小なセグメントに分割して力学計算によるシミュレーションをすることから、物理モデルにカテゴライズされることが多い。加えて、温度変化の影響(熱力学)も取り入れているため、他の物理モデルよりも精度が高いと評価されている。 摩擦学、力学ベースのモデルなのでMBS(Multi Body Simulation)やFEMと相性がいい、そして、計算処理速度が比較的早いので、ADAMS(解析シミュレーションソフト)などいくつかの解析ソフトで採用されている。


References

Delft-Tyre (2005) MF-Tyre/MF-Swift User Manual, Delft: TNO Automotive

Gipser, M. (2005) FTire: a Physically Based Application-oriented Tyre Model for Use with Detailed MBS and Finite-element Suspension Models, Vehicle System Dynamics, vol.43, pp.76-91

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