前述の通り、CFD シミュレーション結果には様々な種類の誤差が含まれる。なお、errorsの定義は”A recoqnizable deficiency in any phase or activity of modeling and simulation that is not due to lack of knowledge (AIAA G-077-1998, 1998).”であり、不確かさ(uncertainty)とは違うことに注意。
Physical Approximation Error / 物理的近似誤差
物理的近似誤差は、モデルを表すための公式の不確かさと簡略化に因る誤差で、連続体モデル(continuum models)を扱う時のみに生じるもの。(CFD コードから個々の物理モデルに変換する際の誤差については、離散化誤差のところで扱う。)流体、あるいは、個体のモデリングの際に生じる誤差は、それらのプロパティを決定するために使われる計算式の選択に依存する。また、良設定問題(a well-posed problem)もモデリングエラーに影響しうる。
Computer Round-Off Error / コンピュータによる丸め誤差
コンピュータの浮動小数点とメモリに保存される数値の精度によってこの誤差が決まる(通常、16, 32, または 64 bits)。コンピュータによる丸め誤差は、他の誤差に比べてかなり小さいし、コンピュータのスペックに左右されるので通常は考慮不要。
Iterative Convergence Error / 反復処理の収束に関する誤差
シミュレーションを行ううえで反復処理を行う場合、どうしても終点(a stopping point。STAR CCM+では収束判定基準で設定)を決めなければならないため、この誤差が生じる。
Discretization Error / 離散化誤差
離散化誤差は、それぞれのドメイン(有限差分、有限要素、有限退席)と時間の、流れの支配方程式(governing equation)と代数で表される物理モデルによって生じる誤差のこと。(CFDにおいて、それぞれの空間ドメインはグリッド、または、メッシュとして設定される。)メッシュの品質が良くなるほど、計算結果はgrid spacingの影響を受けにくくなる。これが、いわゆる、 grid convergence であり、CFDにおいて、離散化誤差のレベルを把握するのに役立つ。
* Grid convergenceについてはこちらを参照 →Iterative Convergence and Spatial Convergence
* Grid convergenceについてはこちらを参照 →Iterative Convergence and Spatial Convergence
References
Jameson, A. and L. Martinelli, (1998) “Mesh Refinement and Modeling Errors in Flow Simulations”, AIAA Journal, Vol.36, No.5, pp.676-686.
Roache, P.J., (1990) “Need for Control of Numerical Accuracy”, AIAA Journal of Spacecraft and Rockets, Vol.27, No.2, pp.98-102.